【アメリカ】手作り味噌、味はいかが 石垣出身・譜久嶺さんが指導


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
みその手作りを楽しむ日本人女性たち=米バージニア州

 大西洋に面した一大リゾート地の米バージニアビーチ周辺にはオセアナ海軍飛行場などの軍事施設があり、軍属の夫と結婚した日本人女性たちが多く暮らす。その地でこのほど、有志が集まり、手作りのみそ作りが行われた。

企画、指導したのは石垣市出身の譜久嶺絹子さん。本年度第1回目のその日は13人が、2回目は17人が参加した。
 みそ作りの前日に各自で大豆を煮てペースト状にしたものを持参し、絹子さんが培養した米こうじを大豆に混ぜてもみ、仕込んだ。半年の熟成期間を経て7月に完成予定だ。
 今では東洋系のスーパーに行けばどこででも手に入るみそだが、絹子さんは、帰国した時に種こうじ菌を購入し、試行錯誤を重ね、こたつでこうじを培養させ米こうじを成功させた。「体にいいものは手間ひまかかるが、安全と愛情がもらえる。参加者から『おいしかった』『ことしはいつ?』と喜んでもらえていることがうれしくて毎年続けている」と絹子さん。
 これまで1人で60時間かけて参加者分の米こうじを作っていたが、昨年から米こうじを作りたい人には絹子さん流の作り方を指導し協力してもらっている。
 仕込みの後、みそについて講義し「西洋での“リンゴ一個の医者要らず”に対して日本では“みその医者知らず”」と話し、参加者はみその効用や由来、歴史、その他の雑学などを学んだ。
 自宅を開放した那覇市首里出身の涼子ボーゲルさんは「米国に転勤して来て1年半余。ここに来て何でも手作りを楽しむ仲間に出会い、幸運だ。みそ作りは初体験だったが愛情込めて作ったみそができるなんて夢みたい」と話した。その後は涼子さんの夫、マットさんがプロ顔負けの絶品の焼き鳥を、皆が持ち寄った一品とともに食しながら、みそやこうじ、料理などについて談笑した。(鈴木多美子通信員)