香港・マカオに販路拡大 えんグループ


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マカオの百貨店ニュー・ヤオハンで初めて「定番化」された県産島豆腐=3月16日、ニュー・ヤオハン

 アジアで飲食店や県産品卸売りを展開するえんグループ(又吉真由美代表)が香港・マカオで県産品の販路を拡大している。全日本空輸(ANA)の国際航空貨物事業を活用、新鮮さを売りにしている。

空輸のため価格は高くなるが、品質が評価されて引き合いも増え、従来の輸出量を大きく上回る実績も出ている。県産豚は3月の1カ月間で5トン輸出、2013年度は毎月10トン、年間120トンを目指す。定期輸出が困難だった島豆腐も、マカオの百貨店で商品棚に常時並ぶ「定番化」が決まった。
 又吉代表は「沖縄のメーカーが香港やマカオに実際に行って、見て、現地市場のニーズを把握して提案することで、県産品が現地に受け入れられてきている」と説明。多くの県内企業の香港・マカオ市場への参入を呼び掛けた。
 輸出を担当するグループ会社の沖縄セントラル貿易の粟国尚貴ゼネラルマネジャーは「空輸の送料を上乗せしてもちゃんとブランディングすれば売れる」と胸を張る。えんグループは3月に販路拡大に向けた現地商談会を3回実施。1回目は7~17日、香港富裕層の上位2万4千人を擁する会員制美食クラブ「香港ジャッキー」で沖縄フェアを開催。2回目は11~24日、マカオの大手百貨店ニュー・ヤオハンで開催。3回目は香港でグループが経営する飲食店で実施、沖縄から食品メーカー5社が参加した。
 県産豚は那覇ミート(南城市)が「琉香豚(りゅうかとん)」を出荷。航空便で届ける新鮮な肉が評価されている。和牛はえんグループがもとぶ牧場(本部町)から1頭買い。3月は3~4頭を香港に、1~2頭をシンガポールに輸出予定。冷凍牛肉ではなく新鮮なサーロインが人気で香港ジャッキーでの売上高は200万円超という。
 島豆腐はひろし屋食品が輸出。マカオで通常、豆腐は1パック80円だが、島豆腐は輸送コストもあって480円。琉〓〓(那覇市)のギョーザは、香港で270店を展開するスーパー大手「ウエルカム」の40店で定番化。海邦商事(うるま市)は香港の砂糖販売大手タイクー(太古)シュガーと共同商品「しょうが黒糖パウダー」を開発し、今年10月から月間2トンを目標にする。香港のコンビニ、サークルKにも黒糖使用の菓子パン販売も予定している。(滝本匠)

※注:〓は王ヘンに民