広域観光協会 共同設立へ 中城と北中城村


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観光誘客の軸として期待される世界遺産の中城城跡=中城村

 【北中城・中城】世界遺産・中城城跡が立地する中城村(浜田京介村長)と北中城村(新垣邦男村長)は2015年度をめどに、共同で広域観光協会を設立する。中城城跡の周辺整備とスポーツツーリズムを軸に観光資源の発掘や特産品開発で連携し、入域観光客の増加を目指す。4月に両村長が設置方法や時期について意見交換した後、具体的な検討作業に着手する。

 中城村はキャンプ地としてプロスポーツチームを誘致する。良質の芝生と管理技術を持つ吉の浦公園(村当間)にこれまで複数のプロ野球球団が関心を示しており、宿泊施設を確保するには北中城村の協力が不可欠となる。民間レベルでも花の植え付けや各種イベントなど中城城跡周辺の活性化への取り組みが進んでおり、行政が支援を強化する。
 新垣北中城村長は取材に対し「単独でやるのは意味がない。中城城跡を核として、両村が連携していかなければならない」と述べた。浜田中城村長は村議会3月定例会で村シルバー人材センター事業について「北中城村との観光協会設立のための糸口になるように裾野を広げたい」と述べるなど、先行する官民の各種事業を広域観光協会の取り組みにつなげたい考えを示している。
 両村には観光協会がなく、設立段階で自治体が連携するのは県内初。本島南部には豊見城市など6市町の団体が連携する形の南部広域観光協会がある。複数の自治体にまたがる資源を活用しやすいメリットがある一方、商工会や農協など各種団体の連携が課題となる。
 隣接する両村は共通の歴史を持ち、敷地がまたがる中城城跡については共同管理協議会が観光客を受け入れているほか、消防や清掃などの事務組合で連携している。(増田健太)