宜野湾「神山・愛知ヌールガー」 市の登録文化財に


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市教育委員会から文化財登録証書を受け取る愛知区、字神山郷友会の関係者ら=28日、宜野湾市愛知のヌールガー

 【宜野湾】宜野湾市愛知にある古井戸「神山・愛知ヌールガー」が28日、市文化財保護条例に基づく「登録文化財」に市内で初めて登録された。市によると登録文化財制度を創設しているのは県内では宜野湾市のみのため、県内でも初の登録だ。

 市の条例では「指定文化財」のほか、地域が主体となって保存や活用に当たり、地域を知る上で重要な文化財を「登録文化財」とすることができる。学術的な要素を持つ指定文化財に比べ、登録文化財はあくまでも地域主体。地域の申請を受け、保護や活用について地域がどう取り組むのか、意見も聞きながら判断される。
 市教委は文化財を生かしたまちづくりをサポートする。
 地域住民により崇拝されてきたヌールガーは、集落内の木々の生い茂るひっそりとした場所に、現在も澄んだ水をたたえる。戦前から活用され、字神山郷友会では年に一度、地域の生活に欠かせない湧き水などを拝む「初ウビー」で参拝している。
 28日に宮城茂雄教育長から文化財登録証書を受け取った愛知区の上里広幸自治会長は「後世に引き継いでいけるように管理しながら、歴史文化を共有したい」とあいさつ。字神山郷友会の山城保会長も「初ウビーの度に先輩が守り育ててきた大事な地域文化。子や孫たちも続いていけるよう、今を大事にして守り続けたい」と意気込んだ。