【島人の目】スターバックス・コーヒー


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 スターバックスの濃いコーヒーには深い味わいがあり、青年時のロマンを感じる。毎週土曜日の朝早く、ハンティントンビーチに住む友人がゴルフをプレーするために迎えに来る。その習慣が続いてすでに4年以上。私の住む近くのカリフォルニア州オンタリオ市のゴルフ・コースでバック9を歩いて回る。健康維持のためカートには乗らない。

 試合が終わって必ずやることがある。近隣のスターバックス・コーヒーショップで歓談するのである。友人はフリーウェイを約1時間かけて運転、ガソリン代がかかるのでコーヒー代は私が持つ。2人とも必ずブラックで飲む。肥満を気にする年齢であり、糖尿病予防のためだ。
 濃いスターバックスのコーヒーはクロワッサンかケーキなどとよく合う。ゴルフ終了後、時には近辺の山川や湖巡り、トレールをたどり滝への散策、ワイナリーでテイスティング、インディアン・カジノへとしゃれ込む時もある。「大して余力はないが、毎週ゴルフに興じ、高いスターバックスのコーヒーを飲む。まさしくロマンスグレーの気分高揚だね」とは僕ら2人の口癖。
 中国雲南省といえば南はミャンマー(ビルマ)、西はラオスとの国境に位置する温暖地方で、山岳地帯はお茶の生産で名高く、連綿と続く長い歴史がある。そこに最近コーヒーの栽培が盛んになり、お茶に取って代わりつつあるとLAタイムズが伝えている。お茶栽培の3倍の収入があり、米国ワシントン州のスターバックスやスイスのネッスル社が後押ししているのだ。
 それと中国エリート層の若者がコーヒーをたしなむ傾向が増え、消費量にぐんと拍車が掛かったとのニュースがあった。何でも中国ではコップ1杯500円、世界一高値だとも書き加えている。
 一時期、日本で小豆(あずき)のことを「赤いダイヤ」としてもてはやされたことがあったが、コーヒー豆が中国で「琥珀(こはく)色のダイヤ」となるやも知れぬ。時代の変化だろう。
(当銘貞夫、ロサンゼルス通信員)