前年度比16%減、68件 12年度県内企業倒産


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県内倒産件数・負債総額の推移

 東京商工リサーチ沖縄支店は1日、2012年度の県内企業倒産状況(負債総額1千万円以上)を発表した。件数は前年度比16・0%減で統計を取り始めた1972年以降で過去3番目に少ない68件となり、9年連続の2桁台となった。

負債総額は48・7%増の286億7800万円で2年連続で増加した。
 倒産件数について同支店は「11年3月に終了したが、いまだ605億円の保証残高がある『景気対応緊急保証制度』と、13年3月で終了した『中小企業金融円滑化法』による金融支援が功を奏した」と分析した。
 負債総額は、4年半ぶりとなる100億円超の大型倒産が1月に発生し全体を押し上げたが、件数の落ち着きで過去の平均額を26・4%下回った。
 業種別では、建設業が29件と全体の42・6%を占めトップとなったが、前年度からは10件減少した。次いでサービス業が12件(17・6%)、卸売業が10件(14・7%)―などとなった。負債総額は10億円以上の大型倒産が1件増加し4件だったが、1億円以上の大口倒産は12件減の19件だった。
 主因別では販売不振が全体の41・2%を占め10年連続で最も多かった。販売不振と売掛金回収難、既往のしわ寄せを合計した「不況型倒産」は全体の60・3%となり、8年連続で半数超となった。
 今後の見通しについて同支店は「金融円滑化法の終了を危惧する声は多いが、地銀も円滑な資金供給や貸し付け条件の変更などを行うとしていることから、金融機関の対応が厳しくなる懸念は少ない」とした。