メインプレイス周辺、渋滞解消へ具体策


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 急速な発展が続く那覇新都心で、交通渋滞が大きな問題になっている。那覇市は現状について調査した上で関係者と協議を始めており、対策を急いでいる。平日朝の通勤ラッシュには、おおむねスムーズに車が流れている那覇新都心だが、夕方や休日になると一転、地域内に多く立地する商業施設に向かう車で激しく混み合う。

 中でも渋滞が激しくなるのが大型商業施設のサンエー那覇メインプレイス周辺だ。那覇市が昨年5月、午後5~6時に周辺道路の交通量を調査したところ、南側の市道那覇中環状線を通った車の4割がサンエーの利用者だった。西側の県道那覇宜野湾線では6割、東側の市道銘苅35号では7割、北側の市道銘苅39号では9割に上った。
 同店東入口から入店を目指す車が那覇中環状線まで数珠つなぎになるほか、那覇宜野湾線の南行き車線では、北側から直進してきた車と同店の西出口から出て右折車線を目指す車が入り乱れる。那覇新都心の“顔”として広範囲から人を引きつける魅力の高い同店だが、渋滞解消は大きな課題だ。
 この状況を踏まえ、那覇市はサンエーと警察を交えた協議の場で、四つの改善案を提示した。
 サンエーから出てきた車で混雑していた北側の市道銘苅39号では「おもろ天空橋」下で那覇宜野湾線に右折しても、すぐ信号があり、先詰まりしていた。このため天空橋下の二つの交差点を一体化し、先詰まりを防ぐ。
 周辺の信号機の周期を140秒周期から120秒周期に変更する。サンエー東側出入り口付近では、横断歩道がない所での危ない横断が目立つため、横断歩道設置を盛り込んだ。
 またサンエーに対しては、西側にある車両出入り口を入れ替え、北寄りを出口に、南寄りを入口に変更を要望する。これにより、南側の那覇中環状線側から立体駐車場に入れるようになり、混雑緩和が期待される。
 シミュレーションではこれらを一つのパッケージとして取り組むことで、平均速度が5・67キロから8・36キロに47・4%向上するという。
 一方で06年に市が実施した調査によると、新都心内の移動や、サンエーがあるおもろまち4丁目内での移動の4割が車で行われるなど「異常な車依存」も見られる。交通渋滞問題の根本的解決には、車依存の生活習慣を変えることも求められそうだ。

混雑する那覇新都心
サンエー那覇メインプレイス周辺の渋滞緩和計画(クリックで拡大)