超党派めど立たず 4・28式典抗議県民大会


社会
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 県議会野党会派などから浮上した「主権回復の日」式典に抗議する県民大会は、政府が式典を主催する28日の同時刻に開催し、県民の抗議の意思表示を明確にすることが検討されている。しかし時間的な余裕がない中で、自民党は3日の準備会合にも出席しない意向で、超党派による大会実現のめどは立っていない。

 「こんなやり方はあまりにも乱暴。できるものもできなくなってしまう」。1日に社民護憲の仲宗根悟氏から準備会合出席を求められた公明県民の金城勉氏は電話口で声を荒らげた。
 式典に対して県議会は2月定例会で抗議決議を可決したが、自民は表現や訴えのトーンで意見がまとまらず、会派全員が退場。自民抜きの全会一致だった。
 金城氏は、どうにか退場を取り付けることで反対者を出さなかった自民執行部の苦心を知る立場から「『4・28県民大会』と既に大会名の付いた文書で出席を求められても『はい』と応じるのは厳しい部分もある。事前の調整をもっと積み上げるべきではなかったか」と注文を付ける。
 自民の翁長政俊氏は2日、準備会合について「抗議決議の経緯を知っていれば、分かることじゃないか」とにべもなかった。
 一方の野党側にも配慮はあった。
 県民大会は1日の野党代表者会で取り沙汰され、中立会派の賛同も確認。しかし野党としてではなく、仲宗根氏が呼び掛け人となり、無所属を含めた全会派に準備会合参加を求めた。会合で一から議論を始めることで、野党主導を嫌う与党も参加しやすい状況を整える狙いだった。
 大会の動きが報じられた2日、仲宗根氏はあらためて与党に出席を依頼。「時間もないが、努力を重ねたい」と超党派の実現を最後まで模索する。(新垣和也)