大浦湾にジュゴン食跡 国内最深19・6メートル


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 米軍普天間飛行場代替施設建設に向け、国が県に埋め立てを申請した名護市辺野古の埋め立て予定地に隣接する大浦湾で、水深19・6メートルの海底で絶滅危惧種ジュゴンの食(は)み跡が3月28日に発見された。

ジュゴンネットワーク沖縄の細川太郎事務局次長によると、今回確認された場所は国内で確認された中で最も深い場所という。
 ダイビングショップ桜海(おうみ)(那覇市)の岩本俊紀さん(41)が、同市安部沖約400メートルにあるアオサンゴ群集(チリビシ)の近くで食み跡5本を確認した。
 沖縄防衛局による環境影響評価(アセスメント)補正評価書では、海藻草類の分布を調べるため、遠隔操作無人探査機調査が行われたが、今回食み跡が発見された場所を含むリーフ外の深場では、海藻草類の分布は確認されていなかった。
 細川事務局次長は「辺野古アセスは見落としの多い不完全な調査でしかなく、基地建設によるジュゴンへの影響が過小評価された。大浦湾が重要な生息地であることも再確認された」と指摘した。