彼岸キク単価暴落 外国産増加、天候不順が影響


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彼岸期に合わせ臨時貨物便で出荷される県産キク=2013年3月7日、那覇空港

 外国産の増加や天候不順により彼岸用キクの単価が暴落し、農家にとっては厳しい状況となっている。県花卉(かき)園芸農業協同組合(太陽の花、宮城重志組合長)が4日までにまとめた3月の県外出荷実績によると、出荷ピークとなる彼岸期前の2週間の1本当たりの単価は、競り用で前年同期の38円から26・3%減の28円に下落した。

彼岸期に国内で流通する小ギクは9割以上が沖縄産のため、県内外の関係者らは危機感を強めている。
 外国産の増加には、昨年末に年末用として出荷した県産キクが台風の影響で前年同期比26%減となり、県外市場がその分を外国産で補った背景がある。一方、県産の彼岸期出荷量は昨年末の落ち込みを取り返そうと25・6%増加し、市場に商品があふれて単価が下落。農家によっては、手取りが例年の2~3割程度にまで落ち込んだ。
 宮城組合長は「昨年末、市場に穴を開けてしまい、それを彼岸期まで引っ張ってしまった」と説明。外国産が倍増した市場もあったという。
 同組合は2日、浦添市内で緊急会議を開催。主要な県外市場関係者ら16人が参加した。生産者と市場が連携を強めることで出荷量を調整し、適正な単価を維持することなどを確認した。
 単価下落の防止策について宮城組合長は、小ギクの単価が35~55円で固定される「予約注文」を増やす必要性を強調。現在は全体の4割ほどだが、農家と連携して色合いのバランスなど品質の安定性を向上させ6割を目指すとした。