木村教諭、念願かない西表中へ 8年前初任地 住民から片道切符


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片道切符を手に西表島勤務に胸を膨らませる木村祥子教諭=1日、石垣市

 【竹富】「やっと戻って来られた」。初任地の竹富町西表島での勤務を希望していた木村祥子教諭(32)が、町立西表中学校に4月1日から赴任した。西表島での勤務は8年ぶり。転勤時に島民からもらった石垣―西表間の片道船便切符を大切に持ち続けていた木村教諭は「絶対に西表に行きたかった。また島の人に会えるのを楽しみにしている」と胸を膨らませた。

 木村教諭は8年前、同島の船浦中の臨任として教員生活をスタートさせた。1年間の短い期間だったが、中学2年生の担任として力を発揮。地域社会にも溶け込み、青年会活動にも参加した。船浦中からの転勤を知らさされた時は、校長室で号泣するほど離れたくなかったという。
 島から出る際は「また戻って来い」という意味が込められた片道切符を青年会メンバーから贈られた。
 木村教諭は切符を財布に入れて大切に保管。本採用後、初任者研修を終えた後にへき地校勤務するという制度を活用し、西表島での勤務を希望した。
 木村教諭は「8年前の切符が使えるのかな」と首をかしげながらも「前はとにかく何もできなかった。今度は島の人に恩返ししたいという気持ちが強い」と語った。

英文へ→Junior high school teacher returns to Iriomote after eight years