「地域政策」で独自路線 自民県連の「県外」堅持


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自民党県連大会であいさつする石破茂幹事長=6日、那覇市のパシフィックホテル沖縄

 自民党の石破茂幹事長が米軍普天間飛行場の移設先をめぐる党本部と県連との主張の違いについて参院選に向けて政策を擦り合わせる考えを示した。5日に米軍基地の返還・統合計画が発表されたばかり。露骨な圧力にも映るが、県連幹部は「方針を変えるような事情は全くない」と強調した。

 大会で県連は県外移設を政策として正式に決定。参院選の公約は手続き上、党本部との協議を経る必要があるが、翁長政俊会長は大会後、「県連の基本姿勢は県外の堅持だ。おのずと結果は読める」と述べ、基地問題に関する政策は独自の地域政策(ローカルマニフェスト)を掲げて臨むことになるとの考えを示した。
 翁長氏らはこれまで何度も党本部に県連の立場を伝えてきた。5日も照屋守之幹事長が上京し、石破氏らに県外移設の県連方針を説明。照屋氏は「石破氏は沖縄の立場をよく理解している」と話す。
 別の県連幹部は石破氏の発言について「立場上、そう言わざるを得ないのでは」と推測する。2010年参院選以降、県連は県外移設を訴える地域政策で国政選挙を戦ってきた。しかし党が政権に復帰した以上、本部は県連の立場を理解しつつも、表向きは日米合意を推進する政府を支える政権与党として県連の意向を簡単には認められないだろう、との見方だ。
 県連側としては「沖縄の言い分を理解してもらう努力を重ねていく」(翁長氏)と、県外移設への理解を得る機会として協議に応じていく考えだ。
 一方、県連内では西銘恒三郎衆院議員が県外移設の実現性に疑問を呈するなど異論も出ている。元県連会長の具志孝助県議も普天間の危険性除去を優先すべきだとして辺野古移設を選択肢とした論議を求めており、県連もまた課題を抱えている。
(新垣和也)