巧みな表現力　城間正リサイタル

　声楽家（テノール）の城間正の第１５回リサイタルが５日、那覇市のパレット市民劇場で開かれた。「愛を歌う」をテーマにイタリア古典歌曲やカンツォーネから優しい旋律のフランス歌曲、情熱的なスペイン歌曲までを歌った。ピアノは奥平めぐみ。

　スペイン歌曲「カンタレス」は情熱的な歌い出しから、叫ぶように閉じる終結部までを巧みに彩る。「ホタ」は軽やかに運ぶピアノと歌声を調和させ、遊ぶような旋律に強い思いをにじませる。「ポロ」は不穏な旋律に相手をのろうほどの恋の苦悩を映し出した。
　アンコールにもカンツォーネ「彼女に告げて」などで応え、長年の経験に裏打ちされた表現力豊かな歌唱で来場者を引きつけた。