シーサー文化発展を 八重瀬・富盛石獅子、地域おこしも探る


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富盛の石獅子に御願をするため集まった人々=3日、八重瀬町富盛

 【八重瀬】那覇市でシーサーの置物を作る真栄田義治さん(66)は「シーサーの日」の4月3日、文献上、最も古いシーサーの一つとされる同町富盛の石獅子で仕事始めの御願(うがん)をした。真栄田さんのほか、同町の住民など12人が参加。参加者は果物や11分の1サイズの石獅子の置物をお供えし、祈りをささげた。

 御願は真栄田さんの「シーサー文化を発展させたい」という思いから実施。石獅子は、火事が多発した富盛地区の火除(よ)けのため、琉球王国時代の1689年に設置されたとされる。
 真栄田さんは「富盛の石獅子は、戦火もくぐり抜けてきた貴重なシーサーだが、存在や歴史を知っている人は県内でも少ない。シーサーのルーツを多くの人に再認識してほしい」と話した。その上で「石獅子を活用した八重瀬町の町おこし事業を模索したい」と意気込んだ。
 来年には、同町新城のまちづくりNPO法人「カタンニュー・クラブ」(上原文一理事長)と連携して、富盛区の住民にも御願への参加を呼び掛ける予定だ。