沖縄食を成分表に メタボ対策“虎の巻”


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「はえばるカレンダー」と「はえばる町食品成分表」を紹介する大城美恵子さん(右)と具志堅志保さん=9日、南風原町総合保健福祉防災センターちむぐくる館

 【南風原】町民の生活習慣病予防と肥満改善を目指し、南風原町健康福祉課は従来の食品成分表にはない沖縄の食材35品目の栄養価を分析し、「はえばる町食品成分表」(A4判、40ページ)としてまとめた。県内自治体では初の試み。同表を基に健診の必要性や食事に含まれる砂糖や油の量、カロリー消費に有効な運動などを紹介する「はえばるカレンダー」を作り町内全世帯に配布した。

 2012年度の一括交付金事業「はえばる食と観光全国へ発信事業」として成分表をまとめた。
 生活習慣病の根底にある「内臓脂肪の蓄積」の改善が課題となる中、11年度の町民の健康診断などから町民の38%がメタボ予備軍該当者ということが判明。健診や国民栄養調査の結果から「脂肪エネルギー比率全国一」という問題の解決に取り組むことになった。
 管理栄養士の具志堅志保さんは「県民が食べている衣たっぷりの天ぷら、なかみ汁など従来の成分表に栄養価がなく、まずは町独自で成分表を作製することになった」と話す。
 沖縄そば、やぎ汁、ミーバイ汁、島豆腐など35品目27項目の栄養価を県外分析センターに委託、結果を成分表一覧として掲載した。保健師の大城美恵子さんは「栄養指導など、町民の健康づくりに活用したい」と強調する。県や他市町村にも配布したという。
 町民に食生活を見直してもらおうと、「食」をテーマに、イラストや写真を多用したカレンダーも作製。大城さん、具志堅さんは「子どもにも分かりやすい内容。活用してほしい」と話す。
 町外向けに南風原の野菜・果物など特産品などを紹介する小冊子「はえばるの元気の素(もと)」も2万部発行した。