“おばあ”のみそ、給食に 小中に1万3000人分提供


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
玄米みそ造りに励むJAおきなわ勝連支店女性部の部員ら=うるま市勝連平安名のJAおきなわ勝連支店

 【うるま】新年度が始まり、JAおきなわ勝連支店女性部の給食用の玄米みそ造りが2年目に入った。同部で25年以上受け継がれる自慢の玄米みそは、これまでイベントや一部店舗での販売のみだったが、昨年度から市内の小中学生が食べる給食のみそ汁や油みその材料として提供されている。本年度から新たに与那城学校給食センターが提供先に加わり、津堅島を除く市内6カ所の給食センターで使われている。

 材料の米は金武町の農家から。大豆は九州産。JAおきなわ生活指導員の島袋千加江さんは「できるだけ地産地消にこだわっている」と話す。
 造る量は市内の児童生徒1万3千人分。原材料の白米、玄米、大豆を混ぜ、発酵させたものを細かくミンチ状にして、4カ月間熟成させる。
 部員12人が交代制で作業し、一度に約120キロ生産する。新垣トモ子さん(74)は「続けることは簡単じゃない」と話すが、仲間と一緒に行う作業は「楽しい。ストレス解消にもなるさ」と笑う。「昔はそら豆。豊かになってから、大豆を使うようになったさー」と時折、昔のみそ造りを懐かしむ。
 きっかけは、震災後「孫や子どもたちに安心、安全な食を届けたい」という部員たちの思い。下門江美子さん(56)は、孫に「(給食に使われるみそは)『おばあが造っているからね』と言っている」と得意げだ。「おいしい」という言葉が励みになるという。
 「食育にも力を入れている」(島袋さん)同部は、ことしも夏休みに、子どもたちと一緒に自慢の玄米みそを造る予定だ。