「沸騰の時代」検証 「オキナワンロック史」発刊へ


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オキナワンロックの誕生50周年を記念して協会初の年史を発刊する県ロック協会の喜屋武幸雄事務局長=10日、沖縄市内の県ロック協会事務所

 【沖縄】県ロック協会(宮永英一会長)は、1963年に本格的なロックバンドが沖縄に誕生してことしで50周年を迎えることを記念して、琉球文化と米国発祥のロックが融合して発展した“オキナワンロック”に関する年史を発刊する。

協会初の取り組みで、6月にも準備委員会を立ち上げ、今秋中の発刊を目指す。
 年史は当時のロックミュージシャンが活躍したAサインバーが多数あったコザ市(現沖縄市)や名護市、金武町を主な舞台として、ミュージシャンやAサインの元経営者、大学教授など有識者から聴取して、多角的な視点でオキナワンロックの歴史を検証する。
 1部300ページ程度を想定し、2~3千部を作製する予定。総事業費は数百万円で、県や沖縄市などの支援を受けて対応する。年史は、県内で活躍するミュージシャンを多数輩出した奄美大島や徳之島など奄美諸島に加え、県内各地の図書館や学校などへ無料贈呈する。
 県ロック協会事務局長の喜屋武幸雄さんによると、オキナワンロックは、63年にコザ出身の川満勝弘さんや喜屋武さん、外間勉さんらが中心となって結成した「ウィスパーズ」が先駆けとなり、歴史が始まったという。
 喜屋武さんは「米国と沖縄の文化が融合して、独自のオキナワンロックが生まれた。日本を代表するロックであり、本場の米国でもその存在が認められた。沖縄の時代背景を知らないと沖縄のロックは語れない。きちんと後世に引き継がないといけない」と年史発刊の意義を強調した。