高市氏「県外」外し迫る 自民参院選公約調整


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自民党の高市早苗政調会長(右)と会談する党県連の座喜味一幸政調会長=15日午後、那覇市久茂地の自民党県連会館

 米軍普天間飛行場の移設先をめぐる自民党の高市早苗政調会長と座喜味一幸県連政調会長の15日の会談は、那覇市の県連会館で約1時間にわたって行われたが、平行線に終わった。

19日には石破茂幹事長らが来県し、最終的な調整を行うが、県連は「県外移設」の堅持を伝える方針。高市氏は会談後、「幹事長の来県前に忌憚(きたん)なく意見交換ができた」と述べるにとどまった。
 「県外という表現はどうしても受け入れ難い」。高市氏は昨年の衆院選での県連公約集を手元に置き、手にしたペンで「県外移設」の表記部分を隠して、公約から外すよう迫った。
 座喜味氏はこれまでの経緯を説明し「スタンスは変えられない」とはねつけた。別の話題に変わっては戻り、移設先に関するやりとりは3、4回に及んだ。
 高市氏が示した文案について負担軽減と固定化の回避では一致。だが「新たな負担を被る関係自治体には特別な配慮を講じる」との一文に座喜味氏が「これは名護市のことじゃないのか」とかみつき、修正を求める一幕もあったという。事前に高市氏が党本部と県連のねじれを解消する策を提示するとの一部報道があった。県連幹部は「策なんてあるのか。県外と書くか県内と書くかしかない。あやふやにすれば余計危うくなる」と指摘。仮に公約で移設先に触れないということであれば、県民からごまかしとの批判を受けかねないとして、高市氏の真意をいぶかっていた。
 実際に高市氏からは移設先を明示しないという玉虫色の決着案が打診されたが、座喜味氏は会談後「率直な表現にしないといけない。中途半端な表現では納得いかない。県外とはっきりと明確に表現する」と言い切った。
(新垣和也)