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「皆を元気づける力士に」 千代皇に“両親”エール

 【うるま】5月26日に千秋楽を迎えた大相撲夏場所。県関係で11年ぶりの十両誕生となった千代皇(ちよおう)(本名・基王代仁(もといみよひと)、中部農林高―九重部屋)は7勝8敗で惜しくも負け越した。故郷の与論島を離れ、稽古に励んだ高校時代の基少年を、下宿先として支えた「沖縄の両親」がいる。

うるま市の山本浩二さん(49)と妻六代さん(47)。2人は「紙一重で負け越したが、次の場所につながる内容だった」と今後の飛躍に期待を込めた。
 今は日本大学(東京)に通う息子の浩太さん(21)が、中部農林高相撲部で千代皇の一つ下の後輩に当たり、2年間自宅で下宿を受け入れた。「おおらかで母親思い。あんなに純粋な子はいない」と六代さん。好物のアイスやマカロニサラダを食卓に出した時のうれしそうな顔を懐かしみ、思わず笑みがこぼれる。
 2年生から主将を務めた第二の息子に自覚を持ってほしいと、時に心を鬼にして厳しいことも言った。けがの多い選手でもあり、浩二さんは「いつもいいことばかりじゃない。つらい時も苦しい時もある。プラス思考の天才になれ」と伝えていた。
 卒業する頃には本当の家族のようになっていたといい、浩太さんは送別会で「王代仁先輩は僕の生涯の兄貴です」と涙ながらにあいさつをしたという。
 高校から相撲を始め、初土俵から3年のスピード出世で十両へ昇進。浩二さんは「厳しい勝負の世界で、出来過ぎなぐらい」とたたえる。夏場所は、初日から2連敗した後に4連勝、その後再び4連敗したものの7勝8敗に抑えた。山本さん夫妻は「心技体、そして運。そのすべてがそろっていないと上には行けない。まだ22歳。地道に努力を続け、皆を元気づける力士になってほしい」と見守る。
(大城周子)

英文へ→Boarding house owner supports sumo wrestler Chiyoo


千代皇が高校時代に使っていた思い出の品を手に、当時を振り返る山本浩二さんと妻の六代さん=5月27日、うるま市内の自宅

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