【ブラジル】第20代沖縄県人会長 田場ジョルジさん


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第20代ブラジル沖縄県人会会長の田場ジョルジさん

 2月に第20代ブラジル沖縄県人会会長に就任、国内の県系44支部をまとめる。本職は弁護士。不動産法の専門家として、約40年にわたり、土地や建物の売買をしてきたほか、1997年から2004年にかけて、2期にわたりサンパウロ市議会議員も務めた。

「普段は口数が少なく控えめだが、重要な場面でリーダーシップを発揮する」(知人)と周囲から絶大な信頼を集める。
 両親は東村出身。ブラジルに渡った後、サンパウロ州ミラカトゥ市でバナナ農園を50年経営した。自身は13歳のころ、親戚を頼ってサンパウロ市へ。クリーニング店に住み込みで4年間働いた後、市の中央市場で父親のバナナを売るなどして働きながら高校に通った。その後、不動産会社に就職。30代半ばで大学の法学部の夜間部に通い、司法試験合格後に独立した。
 自身の経験を振り返りながら「県系の皆さんは我を忘れ、身を粉にして働いてきた」と表情を引き締める。会長に就任してからは各支部を回り、1世らお年寄りに身体をいたわるよう呼び掛けている。
 沖縄は数年に一度訪れ、家族のお墓参りをする。「東村から船に乗ってブラジルに向かった両親の思いと度胸を思うと涙が出てくる。感謝の気持ちでいっぱいだ」
 趣味は旅行。年末には娘家族や孫ら約20人を連れて、妻幸子さん(77)との金婚式をドバイで祝った。サンパウロ州ミラカトゥ市出身、74歳。
(安原亜紀子通信員)