“知恵の結晶”紹介 不屈館、戦後日用品を展示


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戦後の沖縄民衆が工夫して作った日用品について説明する内村千尋館長=7日、那覇市の「不屈館」

 沖縄の大衆運動をけん引した瀬長亀次郎さんが残した資料を公開している那覇市若狭の「不屈館」で、物がなかった戦後の時代に庶民が工夫して作った日用品などを展示する企画展が開かれている。展示は8月31日まで。

 企画展では、戦闘機の残骸を溶かして加工したジュラルミン製のアイロンや鍋、大砲の薬きょうを使った灰皿など、民衆が知恵を絞って生み出した多彩な品々を紹介。現存が確認されているのが1着という、米軍のパラシュートで縫製された貴重なウエディングドレスも飾られている。
 瀬長さんの次女で、同館館長の内村千尋さんは「たくましい沖縄民衆の生活を伝えたいと思い、企画展を開催した。子どもにも沖縄戦後史を分かりやすく学べる機会だ。小中学生は無料で入館できる。夏休み期間なので、ぜひ見てほしい」と来館を呼び掛けた。
 ほかにも、人民党機関紙「人民」の発行許可を勝ち取るまでの裁判記録や、「獄中日記」など瀬長さんの自筆原稿も展示されている。