民主県連 参院選「不戦敗」 存在感さらに低下も


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 民主党県連(喜納昌吉代表)は参院選沖縄選挙区への独自候補の擁立と、比例代表で党公認が内定していた県連代表の元職、喜納昌吉氏の出馬辞退を決めた。選挙戦への態勢が固まらず、当選は難しいと判断したとみられる。選挙区は自主投票とする。

次期衆院選に向け党勢回復を急ぐが、今回の「不戦敗」で、党の存在感がさらに薄まることは避けられそうにない。
 党県連は選挙区の独自候補擁立に向け、複数の名を党本部に示し、調整していたが、自民、公明の過半数阻止を目指す党本部は野党の票が割れるとして擁立断念を求めた。
 党県連は2004、07年の参院選などで現職の糸数慶子氏を推薦。だが、政権与党となった党はその後、普天間移設問題で辺野古推進に転じ、糸数氏との関係はこじれた。
 比例について党本部は昨年10月に早々と喜納氏の擁立を決めた。だが、県連幹部は「準備遅れは否めず、セット戦術も展開できない。落選すれば政治生命に影響を与えかねない」と辞退理由を話した。
 喜納氏は次期衆院選で沖縄3区からの出馬を目指す意向だ。別の県連幹部は、「(今後)3年間、地道に地域で基盤をつくれば返り咲きができる」と述べ、党勢回復に意欲を示した。
 だが、普天間問題で県連が一貫して辺野古移設反対を訴えているのに対し、党本部は県内移設推進の立場を堅持しねじれている。県内での党勢回復に向けて厳しい課題を抱えたままだ。
 (宮城久緒)