県外の人々にも沖縄戦について知ってもらおうと、岡山県津山市の私立大学・美作(みまさか)大学に通う県出身学生らは23日の「慰霊の日」に、「命どぅ宝」をテーマにした催しを同大体育館で開く。
創作ダンスや演劇、エイサーを披露し、来場者と共に68年前に思いをはせながら沖縄戦を紹介し、平和の祈りを誓い合う。学生たちは2日後の本番の成功に向け、稽古に熱が入っている。
慰霊の日に際し、県出身学生たちは数年前から県人会単位で集会を開き、沖縄戦の映像を鑑賞するなどしてきた。しかし、県外で慰霊の日の意味を知る人々がほとんどいないことから多くの人々に知ってもらおうと、県人会の有志でことし2月に実行委員会を結成。県外の学生も含めた約60人で4月から準備を進めた。
催しに向けて、実行委ではダンスと演劇を創作した。特に演劇は、糸満市の平和の礎を訪れた女性が孫に沖縄戦について語り掛ける設定で、ひめゆり学徒隊や「集団自決」(強制集団死)などを挙げながら、住民を巻き込んだ地上戦という沖縄戦の特徴を分かりやすく伝える。
本番を目前にし、学生たちは昼休みや講義終了後の空いている時間を利用して稽古を繰り返していた。実行委の上江洲美奈さん(20)=うるま市出身=は「岡山に来て、沖縄戦のことがあまり知られていないことにショックを受けた。これをきっかけに沖縄のことを知ってもらい、平和の大切さを一緒に考えたい」と意欲を語った。
実行委員長の新城愛さん(21)=嘉手納町出身=は「岡山の人々に沖縄戦を伝えるとともに、自分たちも戦争の悲惨さや平和の尊さを再確認する場にしたい」と催しの成功を誓った。