「1945年6月23日」正しく認識 高校、大学生76%


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 沖縄戦の節目の日である1945年6月23日を正しく認識している県内の高校・大学生が76・0%だったことが21日までに、本紙調査で明らかになった。高校の社会科教員への調査では、75・3%が沖縄の歴史を「教えられていない」と回答していることから、沖縄の戦中・戦後史について、学校現場で学ぶ機会が少ない実態が浮き彫りになった。

研究者は「毎年平和学習をしているにもかかわらず、1945年6月23日を正しく認識しているのが8割に満たないのは少ない」と述べ、沖縄戦の継承に懸念を募らせている。
 ことし、政府が「主権回復の日」として式典を開いたことで問題化した1952年4月28日についての正答率は37・1%、「復帰の日」の1972年5月15日は64・3%だった。
 1945年6月23日を正しく認識している回答者は高校生が78・3%、大学生が74・8%。そのうち、高校生3・6%、大学生7・2%が「沖縄での組織的戦闘終結の日」「牛島満司令官自決の日」と回答した。「慰霊の日」と答えたのは高校生74・6%、大学生67・5%だった。誤答の中には、8月15日の「終戦の日」と混同している記述が多かった。
 1945年6月23日は、正確には「沖縄での組織的戦闘終結の日」「牛島満司令官自決の日」(22日説がある)だが、設問で「○○の日と記述してください」と求めたため、「慰霊の日」との回答も多く見られた。そのため、「慰霊の日」も正答に含めた。
 沖縄の歴史や文化を学ぶことについて「とても重要」「重要」と答えた高校生は90・3%、大学生は95・7%に上った。自由記述では「二度と戦争を繰り返さないために、沖縄戦について学びたい」「体験者の話を聞きたい」などの意見が多く、学ぶ意欲の高さがうかがえた。一方、教員は「準備や授業を実施する時間が足りない」「自身の知識が不足している」などの課題を抱え、その学ぶ意欲に十分に応えられていない現状がみられた。

<調査方法>
 琉球新報は5月23日から14日まで、県内全域の高校生249人と大学生469人に沖縄の歴史に関する調査用紙、高校の社会科教員134人に沖縄の歴史教育に関する調査用紙を配布・回収して集計した。