第95回全国高校野球選手権沖縄大会第2日は23日、沖縄セルラースタジアム那覇などで1回戦9試合を行い、知念が7―4で陽明に勝利し、2回戦進出を決めた。読谷は延長十一回に決勝点を挙げ、4―3で前原に競り勝った。
浦添商は粘る宜野湾を振り切り、4―2で初戦を突破した。名護商工は5―4で南部商に逆転勝ち。具志川は延長十二回に2点を奪い、3―2で浦添工を破った。開邦は延長十回に決勝点を奪い、7―6で南部農林にサヨナラ勝ちした。美里と興南はともにコールド勝ちで2回戦に駒を進め、南部工は3―2で昭薬付との接戦を制した。29日は同スタジアムなどで1回戦9試合が行われる。
◆知念/島仲が千金三塁打
終わってみれば3点差で勝利を飾った知念だが、陽明は手ごわい相手だった。初回から先制を許し、三回までは安打こそ出るものの、得点できないもどかしい場面が続いた。
それでも「点が動く試合だから、慌てず準備した」と、親川聖監督の冷静な読みが的中。3点ビハインドの四回表、1死二塁の場面に金城悠太が二塁打で1点を返すと、一気に追い上げムードとなり、高嶺朝貴の適時打などで追加点を奪った。なおも2死二、三塁と絶好機に島仲飛尾輝が適時三塁打を放ち、逆転に成功。最終回にも2点を挙げ、粘る陽明を引き離した。
投げてはエースナンバーを背負い、もともと速球で三振を取るタイプの照屋翼が、この日は変化球を中心に打たせて取る投球を見せた。八回2死二、三塁、九回1死満塁のピンチをしのいで逃げ切った。
親川監督は「崩れずに守ってくれた。結果的に抑えてくれた照屋に助けられた」と褒めた。照屋は「初戦を突破できてうれしい」とにっこり。「夏は接戦に勝たないと上がれない。次は、序盤から自分たちの野球で沖縄を制覇したい」と力強く言った。(仲本文子)
◆読谷競り勝つ/「総力戦」で初戦突破
4時間近い熱戦となった前原と読谷の試合。先制点を挙げた読谷が、逆転を許さず常に先行、十一回の延長戦を制した。
山城明男監督は「追い付かれても、それ以上の失点を許さず、先行を許さなかった」と振り返り、代打や代走を含めた「総力戦」でつかんだ勝利を強調した。
力は接近していた。互いに1点ずつ、取られたら取り返す展開になった。
五回表、読谷はスクイズで1点を先制したが、前原もその裏、2死から連続3安打ですぐ追い付いた。読谷は六、九回にも1点ずつ奪い、リードするが、粘る相手に追い付かれ、突き放せないまま延長戦に入った。
決着は十一回。読谷は1死から3番池原悠太朗が中前打で出塁、四死球を絡め三塁まで進んだ。絶好機に、6番金城槙吾が左に運んだ球が犠飛となり、池原がタッチアップで生還。これが決勝点となった。前原も最後まで諦めず、同点の走者を出したが、届かなかった。
投手は読谷が3人、前原も4人が継投。激しい競り合いとなったが、町田宗宏主将は「負ける気がしなかった。先行して皆が粘り強くやった」と振り返り、一丸で果たした初戦突破に胸を張った。(宮里努)
<きのうの結果>
▽1回戦
美里 10―0 那覇国際
(七回コールド)
読谷 4―3 前原
(延長十一回)
興南 10―0 中部農林
(五回コールド)
具志川 3―2 浦添工
(延長十二回)
知念 7―4 陽明
南部工 3―2 昭薬付
浦添商 4―2 宜野湾
開邦 7―6 南部農林
(延長十回)
名護商工 5―4 南部商
<29日の試合>
▽1回戦
【セルスタ】9時
沖縄水産―球陽
向陽―首里東
西原―那覇工
【宜野湾】9時
沖縄工―普天間
南風原―具志川商首里―沖縄高専
【北谷】9時
北谷―那覇西
北部農林―名護
本部―浦添