「米国人としての責任」 ユンカーマン監督、沖縄の映画作成


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米軍普天間飛行場を撮影するジャン・ユンカーマン監督(左)ら=24日、宜野湾市の嘉数高台公園

 ドキュメンタリー「映画日本国憲法」などを作った米国人のジャン・ユンカーマン監督(60)=東京都=が、沖縄の基地問題を描くドキュメンタリー映画「沖縄 1944年―2014年(仮)」の製作に取り組んでいる。

沖縄に住んでいた1975年当時から、米国人に沖縄の基地問題を伝えたい、と考えていたユンカーマンさん。38年越しの映画製作は「米国人としての責任」と語る。
 ユンカーマンさんは75年に半年間、沖縄市に住んだ。与那国島の漁師の映画「老人と海」を発表するなど、沖縄に深い思いを持つ。オスプレイ配備や米軍普天間飛行場の辺野古移設、改憲の動きに「作らないではいられない」と今回の映画へ動きだした。
 映画では、沖縄戦から現代まで続く基地問題を追う。元米兵の枯れ葉剤被害も取材し、米兵が加害者であり被害者である複雑さも描く。来春に完成させ、日米両国での公開を目指す。
 ユンカーマンさんは18~24日にかけて、映画を製作するシグロ(東京都)の山上徹二郎代表らと来県した。「集団自決」(強制集団死)の遺族が集う読谷村波平区の慰霊祭や平和の礎、米軍普天間飛行場周辺を撮影した。沖縄全戦没者追悼式に参列した閣僚らを「芝居だ。本気で沖縄を思うなら政策を変えるはずだ」と指摘する。
 「米軍の“占領”は約70年続いている。もう沖縄に米軍がいる必要はないのに、沖縄を戦利品と考え、手放そうとしない。沖縄の問題を知らない一般の米国人に問題提起したい」。穏やかな語りの中に強い意志をにじませた。(伊佐尚記)

英文へ→Filmmaker Junkerman to create movie about Okinawa