美里、北山破る 県高校野球第4日


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北山―美里 延長14回裏無死、サヨナラ本塁打を放ち、ナインに囲まれながら生還する美里の吉浜清亮(右から3人目)=30日午後、北谷公園野球場(金良孝矢撮影)

 第95回全国高校野球選手権沖縄大会第4日は30日、北谷公園野球場などで1回戦6試合と2回戦2試合を行った。第1シードの北山と美里の2回戦は、投手戦の末の延長十四回、美里が2―1でサヨナラ勝ちした。

興南は12―3の七回コールドゲームで読谷を退け、3回戦へ進んだ。このほかは、嘉手納、糸満、豊見城南、北中城、中部商、沖尚が1回戦を突破した。大会第5日は6日、同球場などで2回戦8試合を行う。

◆延長十四回 吉浜サヨナラ弾
 美里の3番・吉浜清亮が両足でホームを踏みしめると、瞬く間に歓喜の輪が広がった。延長十四回裏。高々と上がった吉浜の打球は左翼フェンスを越え、サヨナラの本塁打となった。チームメートにもみくちゃにされる吉浜の手には、まだ打撃の感触が残っていた。勝利を呼んだ一打は、吉浜にとって人生初の本塁打だった。
 序盤は北山の先発・平良拳太郎の好投に苦しめられた。「強気の投球をしていて、的が絞れずに手が出なかった」と吉浜。しかし、十一回の打席で内野ゴロを打ったときに「球威は確実に落ちている。これなら行ける」と感じた。
 迎えた十四回。「まずは出塁しよう」と打席に立ち、3ボール1ストライクから投じられた内角高めを捉えた。「フライを覚悟してゆっくり走った」と言うが、打球は大きく伸びた。「ここ一番の集中力で打てたと思う」。勝負を決めるアーチを描き、うれしそうにほほ笑んだ。
 美里のエース・諸見里俊汰の力投も勝利の原動力となった。初回は制球に苦しんだが、二回以降は切れのある変化球で北山打線を寄せ付けなかった。延長戦を一人で投げ抜き、「北山の平良投手に負けたくないという気持ちで頑張った。沖縄ナンバーワンの投手と勝負できて良かった。ありがとうと言いたい」と引き締まった表情で話した。(平安太一)

<きのうの結果>
▽1回戦
嘉手納 11―0 小禄
  (五回コールド)
糸満 4―2 那覇
豊見城南 7―4 那覇商
北中城 5―4 宜野座
中部商 7―0 石川
  (七回コールド)
沖尚 9―0 美来工科
  (七回コールド)
▽2回戦
美里 2―1 北山
  (延長十四回)
興南 12―3 読谷
  (七回コールド)

<7月6日の試合>
▽2回戦
【北谷】9時
美里工―具志川
名商工―名護
真和志―普天間
【宜野湾】9時
宮古工―開邦
与勝―八重山
那覇西―沖水
【浦添】10時
知念―南部工
豊見城―浦添商