伝統の形、後世へ 千原エイサーと空手家チャンミー


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
空手の形を取り入れた勇壮な千原エイサーを披露する千原郷友会=嘉手納町中央公民館

 【嘉手納】エイサーや舞踊などの伝統芸能と、空手やしまくとぅばなどとの共通点を探る県の「地域の伝統芸能サーキット エイサー×空手」がこのほど、嘉手納町中央公民館ホールで初めて開かれ、80人が参加した。

3人の登壇者が嘉手納町千原地区に伝わる町指定無形民俗文化財「千原エイサー」と、同町出身で「チャンミー」の名で知られる空手家・喜屋武朝徳氏の魅力や共通点などを語った。
 沖縄拳法空手道沖拳会の山城美智(よしとも)副会長をコーディネーターに、千原郷友会の花城康次郎会長と、「喜屋武朝徳を偲ぶ会」の伊礼博事務局長が登壇した。
 花城会長は、千原エイサーは伝統を守り、空手の形を取り入れた力強い演舞となっていることを説明。伝統的な型を変えずに継承するためには、「常にコミュニケーションを取りながら練習する。最近は、他の区出身の青年でもやる気があればさせている」と語った。
 伊礼氏は、喜屋武氏の弟子が米兵らに空手を指導し、兵士が退役後に世界中に道場を開いていったことを解説。その偉大な功績をたたえた。
 山城氏は「文化的活動は目に見えて成果があるわけではない。伝統文化普及の現場にいる者として、若い人たちにできるだけ分かりやすく伝えたい」とまとめた。