犬の口臭予防食品を開発 沖縄発、全国展開へ


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 歯垢(しこう)を抑える環状オリゴ糖のサイクロデキストラン(CI)を活用したペット食品製造を手掛けるシーアイテクノ(うるま市、田村博三社長)は、独自開発した犬用口臭予防商品の全国展開を目指し、本格生産に乗り出す。

6月に製品の核となるCIを生産する機材を導入しており、生産体制や商品力の強化に取り組む。大手消費財メーカーとの商談も進めており、沖縄発CIを素材にした商品の売り込みを図っている。
 CIは複数のブドウ糖が輪っか状に連結したオリゴ糖で、県産サトウキビから精製した砂糖を原料に、微生物発酵など独自の製法で生産。歯垢の原因となる人の虫歯菌を抑える効果があるという。
 同社はCIの機能性に着目し、犬への効果も期待できるとしてCIを配合した犬用食品「ワン・キッス」を開発した。4週間、餌に製品を振り掛け効果を検証する実験を50匹の犬で実施したところ、全匹で口臭の軽減に成功した。
 今後は県外の大学と共同で、口臭の原因とみられる歯周病菌の分布状況や数量の変化などを科学的に分析する予定。調査結果を基に商品力の強化や新商品の開発につなげる。
 商品は県内のホームセンターなどで徐々に売り出し、9月からは卸会社を通じ全国のペット専門店でも発売される予定。同時に大手メーカーとの商談を進めており、年内の業務提携締結を目指している。5年後には現在の40倍に相当する月1500キログラムの生産を計画。売上高は2億円を見込む。
 田村社長は「ペットと飼い主の距離は近くなった。一方、口臭を気にする飼い主も多くなっている」と需要の高さに期待。拡大するペット市場に注目し、販路開拓に力を入れる。
 問い合わせはフリーダイヤル(0120)061201。
(謝花史哲)

犬用口臭予防の主原料となるサイクロデキストラン(CI)の製法を説明する萩原裕也営業課長代理=うるま市
犬用口臭予防商品「ワン・キッス」