北中城、打ち勝つ 県高校野球第6日


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 第95回全国高校野球選手権沖縄大会第6日は7日、北谷公園野球場などで2回戦の残り6試合を行い、ベスト16が出そろった。北中城はシーソーゲームの末、豊見城南に9―6で勝利した。

浦添は五回に集中打で7点を挙げ、10―3で向陽にコールド勝ちした。八重山商工は沖縄高専との乱打戦を12―7で制した。糸満は序盤に主導権を握り、10―3で嘉手納にコールド勝ちした。第2シードの沖尚は8―4で中部商を振り切り、南風原は6―2で西原を破った。大会第7日の13日は同球場などで3回戦4試合が行われる。

◆生きた 朝練の特訓/北中城
 序盤から点の奪い合いとなったシーソーゲーム。打撃戦を北中城が制した。
 先攻の北中城は初回、相手の立ち上がりを捉え、いきなり3点を奪った。
 しかし、豊見城南は三回に同点に追い付くと、四回に逆転に成功した。
 北中城も負けてはいない。続く五回に4連続安打などで4点。再び流れを引き戻した。
 堅い守りを身上としてきたという北中城だが、春季大会後は打撃練習に力を入れてきた。春は北山に延長の末、サヨナラ負け。あと一本が出なかった悔しさから、3年生が話し合い、朝の練習で打撃に集中して取り組んできたという。
 主将の當銘正多喜は練習が成果につながったことに胸を張り、「逆転されてもだれも諦める人はいなかった」と話した。
 六回には先頭の砂川瑠河が本塁打。初回に自らの失策が失点につながった砂川は、監督から「お前のひと振りで流れを変えてこい」と声を掛けられ奮起、「甘い球を思い切り振っていった」と振り返った。
 マウンドではエース仲宗根亨が、序盤は高めに浮いていた球を修正、五回以降を無得点に抑えた。
 3回戦は春の甲子園出場の沖尚と対戦する。當銘主将は「いいチームにも負けない取り組みをしてきた。いい試合をして勝ちたい」と力を込めた。(宮里努)

 ●豊見城南「持ち味のつなぐバッティングを心掛けた。初回に思った以上に点を取られてしまった」(新垣皓大主将)
 ●豊見城南「甘いコースに入ったのを全部捉えられ、失点につながってしまった」(2年生エースの吉浜敬祐)
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◆浦添、コールド勝ち/先制許すも焦りなし
 浦添打線が五回に爆発した。6番・安谷屋太一の二塁打を皮切りに打者一巡の猛攻で7点を挙げ、勝利を大きく引き寄せた。
 序盤は向陽のペースだった。初回に先制を許し、三回に追加点を奪われた。浦添は毎回のように走者を出したが、向陽の好投手・津波空太から決定打を放つことができなかった。
 四回までは我慢の時間が続いたが、浦添に焦りはなかった。「うちは体力では負けない。後半に取り返す自信があった」と亀川良太主将。「先制されても気持ちを切らさないようにした」と反撃の機会を待ち続けた。迎えた五回。長打と相手失策などで逆転に成功し、「流れが来ている」と感じた4番・上原孝太が右越えの適時三塁打で相手を引き離した。
 7点目のスクイズを成功させた5番・平大文は「普段通りのプレーを心掛けた」と笑顔。七回にはコールド勝ちを決める適時打を放ち、「(バットを)振り切ることだけを意識した」と語る。初戦で結果が出せず、この日は先発メンバーから外される悔しさも味わい、「絶対にチャンスで決める」と強い気持ちもあった。
 2回戦を突破し、夏の頂点に一歩近づいた。亀川主将は「春に初戦敗退したので、夏は絶対に上まで行く」と引き締まった表情で話した。(平安太一)

<7日の結果>
▽2回戦
浦添 10―3 向陽
  (七回コールド)
南風原 6―2 西原
八商工 12―7 沖高専
糸満 10―3 嘉手納
  (七回コールド)
北中城 9―6 豊見城南
沖尚 8―4 中部商

<13日の試合>
▽3回戦
【セルスタ】10時
美里―興南
浦添商―開邦
【北谷】10時
美里工―知念
名商工―八重山

豊見城南―北中城 6回無死、先頭の1番砂川瑠河が本塁打で生還し、タッチを交わす=7日、北谷公園野球場
浦添―向陽 5回裏1死三塁、スクイズを成功させる浦添の平大文=7日、宜野湾市立野球場(諸見里真利撮影)