尚家国宝、中城御殿へ 22年度公開目指す


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
中城御殿エリア区分

 県が復元計画を進める中城御殿(なかぐしくうどぅん)=那覇市首里大中町の旧県立博物館跡=に、那覇市が所有する国宝「琉球国王尚家関係資料」を寄託、展示する計画が進んでいる。

 中城御殿には琉球王国時代の王の世継ぎが住んでいた。NPO首里観光協会(金城英輝代表)が那覇市議会に尚家国宝の県への寄託を求める陳情が、6月26日に採択された。1879年の「琉球処分」の際、首里城から中城御殿に移され、その後東京に運ばれ戦禍を逃れた琉球の宝が、長年の時を経て首里に戻ることになる。
 県は2022年度にも中城御殿の一般公開を目指している。今後、中城御殿跡地整備検討委員会で、国宝受け入れに向けた施設整備の内容を詰める。検討委は10年12月から8回開かれた。開始当初から展示エリアの整備計画はあったが、尚家の国宝展示は想定していなかった。
 「古都に尚家の宝を戻したい」と動きだした首里観光協会は、県議会への陳情を12年に行い、採択された。署名活動も展開し、約2千人の署名を集め、那覇市議会に提出した。
 尚家の国宝は、美術工芸品や古文書など1251点ある。首里城公園の首里城南殿、北殿などにも展示スペースがあるため、検討委は、総合的な展示方法を検討していく。