第95回全国高校野球選手権沖縄大会第7日は13日、沖縄セルラースタジアム那覇と北谷公園野球場で3回戦4試合を行い、美里が興南に6―3で勝利して16年ぶり10度目のベスト8進出を決めた。
美里工は延長十一回裏に決勝点を奪い、3―2で知念にサヨナラ勝ちした。浦添商は粘る開邦を終盤に引き離し、6―1で勝利。八重山は4―2で名護商工を振り切った。ベスト8進出は美里工が15年ぶり5度目、浦添商が2年連続14度目、八重山が2年連続12度目。大会第8日は14日、同スタジアムなどで3回戦4試合を行う。
◆主砲本塁打エース完投 美里、勢い止まらず強豪連破
打った瞬間に柵越えを確信した。四回表無死。美里の主砲・比嘉健汰が内角の直球を捉えると、確かな手応えがあった。「絶対に入る」。打球が右翼スタンドに落ちると、比嘉は何度も拳を突き上げながらダイヤモンドを駆け抜けた。
強豪の興南が相手でも、美里ナインはひるまなかった。「相手は同じ高校生なんだから、力の差はない」。試合前、伊波雅司主将はチームメートに言い聞かせた。2回戦で第1シードの北山を破ったことも力となった。伊波主将は「きつい試合を勝ち抜いたことは大きかったし、北山の分まで頑張りたいという気持ちもあった」と語る。
初回に1点を奪うと、四回の比嘉の本塁打で一気に流れを引き寄せた。七回には4安打で3点を奪い、勝利を決定づけた。「北山に勝ったことで自信を持って野球に打ち込めた」と比嘉は達成感をにじませた。
エースの諸見里俊汰は「(興南の)名前に負けないように気持ちで投げた」。低めに決まるスプリットを武器に打たせて取る投球を徹底し、強打の興南を手玉に取った。初回を3人で終えると、二回は一死から二塁打を浴びたが後続を断った。終盤は安打を許しながらも粘投し、最後まで一人で投げ抜いた。「次も相手にのまれずに自分たちの野球をやりたい」。完投したエースは充実した表情で話した。
(平安太一)
◆きのうの結果
▽3回戦
美里 6―3 興南
美里工 3―2(延長十一回) 知念
浦添商 6―1 開邦
八重山 4―2 名商工
◆きょうの試合
▽3回戦
【セルスタ】10時
真和志―沖水
八商工―糸満
【北谷】10時
浦添―南風原
北中城―沖尚