歌で結ぶ「島ん人ぬ絆」 初作詞の上原さんCD制作


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「島ん人ぬ絆」を作詞した上原顕蔵さん(左)と、作曲と歌を担当した比嘉善春さん=12日、金武町

 【金武】「海外移民のことを多くの人に知ってほしい」。2011年の世界のウチナーンチュ大会に感動した上原顕蔵(けんぞう)さん(59)=うるま市、清掃会社経営=が歌の作詞に初挑戦した曲「島ん人(ちゅ)ぬ絆」がこのほど、音楽経験のある友人らの協力でCDになった。

移民の苦労や「チムグクル」を忘れないでほしいとの思いを込めた歌に、第2回世界若者ウチナーンチュ大会沖縄事務局メンバーらも共感し、大会でCD200枚を配布することを決めた。上原さんの感動から生まれた曲が、県内外のウチナーンチュの心を結ぶ。
 上原さんは11年の大会で感動し、胸から言葉が湧いた。「移民しんかぬ 百年の苦労(あわり) 世界うてぃ 喜びの花咲かち 御万人(うまんちゅ)し 祝らな 島ん人の絆」(移民の仲間たちの 百年の苦労の末に 世界にいる子や孫には喜びの花が咲いている みなで祝おう しまんちゅの絆を)
 詞には「海外移民が古里を思う気持ちを、地元の私らも感じていることを伝えたい」との思いを込めた。
 歌にすることは考えていなかったが、ことし1月、世界若者ウチナーンチュ大会の関係者と出会い、詞を見せると絶賛され「彼らを支援したい」とCD化を決意。おやじバンド仲間の比嘉善春さん(48)が作曲と歌を担当し、完成させた。
 CDは自費で千枚制作。世界若者ウチナーンチュ大会沖縄事務局に500枚を寄付した。
 上原さんは「移民社会のことを多くの人が知り、国内外のウチナーンチュが同じ思いを共有できたらいい」と喜ぶ。CDは1枚700円で販売中。収益の一部は世界若者ウチナーンチュ大会に寄付する。大会は18~21日に米国ロサンゼルスで開かれる。問い合わせは上原さん(電話)090(3792)1584。(嘉陽拓也)