沖縄戦を生き延び、友人や家族を失った悲しみを乗り越えて生きてきた元学徒隊の生存者に「命どぅ宝表彰状」を贈る取り組みが県内で進んでいる。
高校教員の宮城千恵さん(54)=宜野湾市=の呼び掛けで昨年1月に準備会を結成した。現在、沖縄戦の語り部や教員ら有志12人で活動している。来月の「命どぅ宝表彰状を渡す会」の発足に向け、16日に那覇市の教育福祉会館で準備会が開かれた。
発起人の宮城さんは、元女子学徒の「卒業証書をもらっていない」という言葉を聞き、戦火をくぐり抜け、生きた証しとなる表彰状を贈る授与式の開催を決意した。学徒たちは青春時代に戦場に動員され、卒業証書を受け取ることができなかったり、戦場で紛失したりした。「戦争を生き延び、命をつないでくれたことへの感謝の気持ちを伝えるため、表彰状を手渡そうと考えた」と思いを語った。
授与式は12月初旬に開く予定で、沖縄戦に動員された全学徒隊の生存者と家族に出席してもらうことを目指して準備を進めている。現在、瑞泉(ずいせん)学徒隊の出席が決定している。
準備会のメンバーは、授与式で元学徒隊と共に校歌を歌う合唱団員と式の実行委員を募集している。年齢は問わない。問い合わせは宮城さん(電話)070(5482)2700。