【アルゼンチン】打楽器の魅力満喫 日・亜の奏者が共演


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
八尋知洋(左から2人目)&ファクンド・ゲバーラ(同3人目)と夢海渡太鼓グループの共演=在アルゼンチン沖縄県人連合会会館

 日本からのパーカッション(打楽器)奏者、八尋知洋氏(52)とアルゼンチン人パーカッション・アーティスト、ファクンド・ゲバーラ氏(44)による「打楽器を通して世界を見る」コンサートがこのほど、在アルゼンチン沖縄県人連合会会館で催された。

 イベントは日本大使館、沖縄県人連合会、夢海渡太鼓グループ、国際交流基金の後援で開かれ、アルゼンチン日系人の夢海渡太鼓も演奏に参加した。
 八尋さんは少年時代にカナリア諸島で育ち、アフリカ住民のリズムに触れたのがきっかけでドラム・パーカッションを始めた。西洋のリズム、アフリカ系の人が多いブラジルやキューバのリズムにも親しんだ。
 アフリカの音楽の発想と感覚は、ドラムを力強く「外から内へ」たたくものではなく、身体が曲に合わせて自然に揺さぶられる、すでにあるリズムを「内から外へ」出して聴衆をゆったりとくつろがせるものという。
 アルゼンチンのゲバーラさんも幼少からアフリカ、ラテンアメリカ打楽器に興味を持ち、その後アフリカの演奏者と共演や研究する機会を得たという。
 八尋さんとゲバーラさんは世界中で集めたいろいろな形態の打楽器を演奏し、非日系がほとんどを占める250人余の聴衆は、自然環境音から着想を得た音色を楽しんだ。
 アルゼンチン出身の夢海渡太鼓グループの音色は非常にダイナミックで激しく、八尋氏が提案する、聴衆をくつろがせる音ではないにもかかわらず、八尋さんは夢海渡グループの演奏の努力と研究熱心さに感動し「尊敬に値する。これからも応援したい」と語った。
 当時のコンサートの一部はネットの動画サイト「Youtube」上で見ることができる。(大城リカルド通信員)