沖縄市 ダイオキシン検出 県、市に高まる懸念 国との協議加速化焦点


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 沖縄市のサッカー場から見つかったドラム缶に有毒のダイオキシン類や枯れ葉剤(オレンジ剤)の原料が見つかった問題で、今後の跡地利用への影響など、さまざまな懸念の声が高まっている。防衛省は「枯れ葉剤とは断定できていない」と強調するが、県は国に徹底的な対応を求めていく考えを示しているほか、沖縄市は全面調査に向けた費用の一時的な負担も辞さない構えで、作業を加速化させる考えだ。

 「(国は)オレンジ剤と断定はできないとのことだが、否定するところも出ていない。疑わしきは徹底的に調査してほしい」。又吉進知事公室長は25日、社民党県連の要請に対して、調査がまだ途中だとの考えを示しつつも、国への対応を強く求めていく考えを示した。
 県幹部の1人は「牧港補給基地など工場や処理施設があるところでは存在も考えられるが、今回は全く想定外の場所だ」と語る。さらに、嘉手納より南の大規模な基地返還に向けて「化学物質が大量に見つかることで跡地利用が遅れることも考えられる」と述べ、困惑した表情を浮かべた。
 東門美津子沖縄市長は当初、ドラム缶の内容物の危険性が分からないとして全面調査に慎重な姿勢を示していたが、防衛省の調査内容を受けて「(サッカー場のある)あの一帯の1・5ヘクタールをしっかりと調査して、市民にちゃんと見てほしい」と考えを一転させた。さらに全面調査を急ぐためには市が費用を一時負担する可能性にも言及した。
 一方、県や市の焦燥感とは対照的に、防衛省幹部は「現時点では枯れ葉剤かどうか、断定も否定もできない。防衛省としても調査は続けていくが、沖縄市や県の調査結果を見ながら、協議しながら進めていきたい」と述べるにとどめるなど、慎重姿勢を示している。オレンジ剤の原料の発見により、その存在の確度は一段と高まった。県民の懸念解消に向けても、今後の同地区における全面調査の早期実施が求められ、県や市、国の協議の加速化が焦点となる。
 (池田哲平、問山栄恵、宮城征彦)