玉城(知念)無念の5位 北部九州総体第6日


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 【北部九州総体取材班】2013年度全国高校体育大会は第6日の2日、大分県など4県で行い、県勢は11競技に出場した。カヌーは各種目500メートルの決勝まで行い、カナディアンペアで大城就一・仲宗根脩真組(沖水)が2連覇した。

同フォアで沖水は5位、カヤックシングルで比嘉宣友(同)が7位に入った。ハンドボール男子の興南は4強入りした。弓道では女子個人の玉城早紀(知念)が5位に入り、男子首里東、女子知念がともに団体決勝トーナメントへ進出した。テニスの男女沖尚はともに3回戦進出。ソフトボール男子の読谷は3回戦で敗退した。なぎなたの知念は団体決勝トーナメントへ進んだ。第7日の3日、県勢は重量挙げなど12競技に出場する。

◆頂点届かず笑顔なし/弓道個人女子決勝
 弓道個人女子の決勝。沈着冷静な玉城早希(知念)が4射目を外し、頂点に手が届かなかった。個人では全国初出場ながら5位入賞の快挙だが、玉城は「うれしくはない」。目標は全国制覇だった。笑顔はなく、淡々とした受け答えからも悔しさがにじみ出ていた。
 落ち着いたたたずまいで入場した玉城。大舞台でも呼吸は乱れることはなく、鋭い眼光で矢を放つ。3射目まで全て的中させ、会場から歓声が湧く。3本目までに、決勝に進出した29人中、22人が的を外し、上位7人に残った。
 4射目は先頭で入場。極限状態の中で集中力を高め、弓を持つ先手に力を込め、右手で大きく弓を引く。十分にためを作って放った矢は、的のわずか上にそれた。玉城は「先手が少し甘かった」と分析した。
 4射目で的に的中させたのは2人。玉城は順位決定のための5射目に臨んだ。無念さを振り払うように完全に気持ちを切り替え、的に集中。矢は中心近くに刺さり、遠近競射で5位入賞を決めた。
 「応援してくれた方々のおかげでここまでこれた」と感謝の言葉を口にした玉城。中村裕子監督は「苦しいときにどう踏ん張るか。これからの人生に役立つ経験になったはずだ」とねぎらった。(松堂秀樹)

◆王者 別格の“快漕”/大城・仲宗根 残り200一気
 「よっしゃあ」。トップでゴールした大城就一・仲宗根脩真組(沖水)は、雄叫びとともに、1番を示す人差し指を空へ突き上げた。
 カナディアンペア(2人乗り)500メートル決勝で1秒以上の差をつけて快勝。互いにタッチを交わし、2連覇の喜びを分かち合った。
 スタートで飛び出たが、中盤はライバルたちと並んだ。これも相手のペースを乱す作戦のうちだった。
 「頑張って追い付いたのに、また離されたら精神的にきつい」と仲宗根。1年生の時にそうして負けて学んだという。
 そして仕上げのスパート。いつも残り150~100メートルで出すが、この日は残り200メートル付近から仕掛けた。早めのスパートに、周りも慌てるように合わせてきたというが、一気に前に出てそのままゴール。
 九州大会後、規定より5キロ重いボートで練習を積んできた。2人は「ラストスパートで負けない自信があった」。昨年の王者として「絶対負けるわけにいかなかった」と大城。仲宗根は「こいつらには勝てないと思わせるようなレースができた」と胸を張った。
 世界選手権(カナダ)の参加を取りやめて選んだ今大会。「ペアで取るのは当たり前。昨年は取れなかったフォア(4人乗り)でリベンジしたい」。大城の言葉に仲宗根もうなずく。
 ペア200メートルと合わせ、まずは2年連続の2冠を目指す。
(宮里努)

5射目に的を射抜き、5位入賞を決めた玉城早希=2日午後、福岡県北九州市の西日本総合展示場(松堂秀樹撮影)
カナディアンペア500メートルで、力強いこぎを見せる沖水の仲宗根脩真(左)と大城就一=2日、大分県豊後高田市真玉カヌー場(金良孝矢撮影)