ハンド男子・興南決勝へ 北部九州総体第7日


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 【北部九州総体取材班】2013年度全国高校総体は第7日の3日、大分など4県で行い、県勢は12競技に出場した。重量挙げ53キロ級で知念勇斗(豊見城)がトータル199キロ(スナッチ86キロ、ジャーク113キロ)を挙げて優勝した。62キロ級の平仲康太郎(同)は217キロを挙げ3位。ハンドボール男子の興南は36-23で藤代紫水(茨城)を破り2年連続の決勝に進出した。

なぎなた演技で玉那覇葉月・慶留間幸音組(知念)が準優勝、三島穂花・仲田亜里紗組(沖尚)は準決勝で敗退した。テニス団体は男女沖尚が3回戦で敗退した。弓道は男子首里東、女子知念がともに決勝トーナメント1回戦で敗れた。相撲団体の中部農林は予選を突破、同個人は木崎伸之助(うるま市出身、鳥取城北)が初の高校横綱となった。カヌーはカナディアンフォア200メートルの沖水などが決勝に進出。ボクシングは4階級で3回戦へ進んだ。第8日の4日、県勢は11競技に出場する。

◆ハンド男子・興南 「守って速攻」真骨頂
 男子興南の準決勝戦。堅い守りで藤代紫水(茨城)の波状攻撃をつぶし、速攻で得点を重ねた興南が36-23で圧勝した。最後まで足を動かし続け、攻めあぐねた相手のパス回しをカットして得点に結び付けるなど、興南が「守って速攻」の真骨頂を発揮した。準優勝に終わった昨年の悔しさをバネに、4年ぶり5回目の全国制覇に大手をかけた。
 前半開始52秒。屋比久浩之がミドルシュートで先制点を奪う順調な滑り出し。比嘉栄透もポストから鋭いシュートを打ち込んで2-0とリードし、序盤で流れを作る。藤代紫水もカットインシュートなどで反撃し、一進一退の攻防から一時逆転を許したが、ゴールキーパー(GK)の山川大貴が好セーブを連発。15-11で折り返す。
 後半は疲れの見え始めた相手に対し、興南が無尽蔵のスタミナで守備でも攻勢をかける。1-2-3の高い守備位置で相手のミスを誘い、黒島誠、下地利輝、糸数卓朗らが得点を重ね、一気に点差を10点以上広げた。前日の試合で右手を負傷した守備の要、東立拡も途中出場し、気迫のディフェンスで相手シュートをブロックするなどしてチームを盛り上げた。
 計15点を挙げた屋比久は「決勝はチームプレーが鍵になる」と自然体。「ディフェンスがよく機能していた」と評価した黒島宣昭監督は「昨年の悔しさを忘れるな。最後まで集中して行こう」とげきを飛ばした。(松堂秀樹)

◆なぎなた玉那覇・慶留間 「納得の演技できた」
 なぎなたの演技決勝。玉那覇葉月・慶留間幸音組(知念)の息の合った演技に歓声と拍手が鳴り響いたが、あと一歩及ばなかった。力強い安定した演技を披露した文化学園大杉並(東京)に4-1で敗れたものの堂々の準優勝。知念の3年ぶりの全国制覇の悲願は果たせなかったが、気迫の込もった演技に2人は「納得はしている」と充実した表情を見せた。
 予選リーグを勝ち進み、満を持して臨んだ決勝トーナメントを僅差で勝ち上がった。呼吸を合わせ、まっすぐの姿勢から気合十分にメンやスネを打つ。
 慶留間のスネ打ちがやや甘く入り、足元が滑る場面もあった。だが、最後まで集中力を切らさず、一糸乱れぬ気迫のこもった演技をやり遂げ、持てる力を出し切った。玉那覇は「優勝したかったが、納得いく演技ができた。掛け声で気付かされたところもある」と声援に感謝。慶留間は「悔しさはあるが、大舞台は楽しかった」と晴れやかな表情を見せた。
 瀬長睦子監督は「相手の実力が上だったが、いい演技だった。2人を支えてくれた方々に感謝したい」と話した。(松堂秀樹)

後半16分、ディフェンスをかわしてシュートを決める黒島誠=3日、佐賀県の神埼中央公園体育館
なぎなた演技で準優勝した慶留間幸音(左)と玉那覇葉月=3日、佐賀県嬉野市体育館