仲西(77キロ級)自信と誇りのV 北部九州総体第9日


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重量挙げ77キロ級 ジャークで139キロを挙げる仲西弘一(豊見城)=5日、長崎県立諫早農業高校(大城周子撮影)

 【北部九州総体取材班】2013年度全国高校総体は第9日の5日、大分県など4県で行い、県勢は5競技に出場した。

重量挙げ77キロ級で仲西弘一(豊見城)はトータル249キロ(スナッチ110キロ、ジャーク139キロ)を挙げて優勝、同級の中村弘夢(南部工)と85キロ級のアンダーソン・ヨシュア(沖縄工)は6位に入った。ボクシング準々決勝で、バンタム級の上原大尊(沖水)が判定勝ち、ライトフライ級の川満俊輝(宮古工)はTKO負けした。テニスは男子シングルスの宮城陵太(沖縄工)と女子ダブルスの大嶺真緒・楚南美波組(沖尚)が3回戦で敗退。レスリングは50キロ級の新垣忠勝(浦添工)、55キロ級の大城一晟(同)、66キロ級の島袋慶生(同)が3回戦へ進出、16強入りした。第10日の6日、県勢は5競技に出場する。

◆ジャークで逆転、堂々2冠/重量挙げ・仲西
 春の王者として臨んだ舞台。「インターハイでも勝たないと恥ずかしい」。77キロ級は仲西弘一(豊見城)が全国高校選抜大会との2冠を達成。誇りと自信を持って重圧をはねのけた。
 この日、自分を追う1番手は全国選抜69キロ級2位の水野(愛知・愛工大名電)だった。最初のスナッチ。水野が110キロを2連続で失敗した後、仲西が先に成功させて圧力をかけた。結局、水野は3回目も失敗で記録なしに終わった。
 スナッチ1位こそ県勢の中村に譲ったものの、最大の敵がいなくなったプラットホーム(試技場)で、主役の座を渡すわけにはいかなかった。ジャークは2回目に139キロを挙げて優勝が決定。3回目の143キロは反則動作で失敗となったが、トータルで2位に10キロ差を付ける圧勝だった。
 実は高校ではボクシング部に入ろうと思っていた。友人に誘われて見学に行った際、重い物を持ち上げる楽しさを知った。そして同級生の知念光亮の練習を見て「こいつとだったら全国にいける」と直感した。
 昨年は69キロ級に出場して16位。もっと重たいバーベルを挙げたい―。そんな素直な思いで階級を上げ、体幹や下半身を鍛えた成果を発揮した。
 最終日の6日には105キロ超級で連覇の懸かる知念が登場する。団体で5年ぶりの優勝を狙う豊見城。仲西がきっちり「勢い」というバトンをつないだ。
(大城周子)