【北部九州総体取材班】2013年度全国高校総体は第11日の7日、佐賀県など4県で行い、県勢は6競技に出場した。空手は個人形男子の又吉佑紀(首里)、同女子の與那覇綾子(浦添)がともに3回戦進出。
個人組手男子の玉城大護(前原)は2回戦へ勝ち進んだ。バドミントンは男子沖水が2回戦、女子コザは1回戦でそれぞれ敗れた。レスリングの浦添工、柔道男子の沖尚はともに2回戦で敗退した。剣道は女子興南が団体予選リーグを突破できなかった。フェンシングは沖縄工が2回戦から登場、初戦を飾ることができなかった。第12日の8日、県勢は柔道、剣道、空手の3競技に出場する。
◆與那覇(女子形)気迫で圧倒/ライバルに雪辱
空手女子個人形の2回戦。鋭い眼光と気迫に満ちた演技で森田うらら(福岡)に4―1で勝利した與那覇綾子(浦添)は、試合場を降りると別人のように表情を崩し、「初めて勝てた」と泣き笑いした。
2012年と13年の九州高校総体で2年続けて森田に敗れた。「九州では自分に負けた。緊張で体が硬くなってしまい、自分らしい形が出せなかった」と振り返る。この総体で必ずリベンジを果たすと心に誓い、試合場に上がった。
セーパイで挑んだ2回戦。「最初のインパクトが大切」と意識し、突きを強めに打ち出した。その後も腰を使いながら、速さと切れのある形にまとめ上げた。
「いい形が打てるように力みすぎないことを心掛けた。練習の時はうまくできていたのにと、言い訳はしたくなかった。いつも通りの心でやった」と話す。
ライバルの森田は今年が最後の総体出場。「最後のチャンスに勝ててうれしい」と大きな瞳を輝かせる。背中を追っていた先輩選手に手が届いたが、「まだ先は見えない」と気を引き締める。
「今日より明日。次戦も今日のように思い切った演技ができるように頑張る」。うれし涙は消え、視線はすでに次の目標を見据えていた。(赤嶺玲子)
◆又吉(男子形)持ち味存分/力強さと切れで突破
「九州総体で結果を残せなかった悔しさがある。絶対優勝してやろうという気持ちで全国に来た」。空手男子個人形で、初戦と2回戦を力強さと切れのある演技で突破した又吉祐紀(首里)。初めての総体の雰囲気にのまれることなく、自分の形を惜しみなく披露した。一度辛酸をなめた経験は、勝負に挑む心を強くした。
両試合とも、演じ慣れたセーパイの形で挑んだ。これまでの「スピードと切れ」の持ち味に加え、練習で磨きを掛けた表現力を存分に生かした試合だった。「力まず自分の世界に集中して形を打てた」と胸を張る。
「強い選手が多いが、次の試合でも自分の形を打つことだけに意識を集中したい」と力を込めた。
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