カナダで空手40年 金城嘉孝さん、外務大臣表彰


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
カナダで空手を伝える沖縄剛柔流・泊手空手道協会カナダ地区本部長の金城嘉孝さん(前列左)と同会の渡嘉敷唯賢会長(同右)、上里一雄理事長(後列右)、渡嘉敷唯夫理事=24日、那覇市天久の琉球新報社

 カナダで40年にわたり空手指導を続けてきた沖縄剛柔流・泊手空手道協会カナダ地区本部長の金城嘉孝(よしたか)さん(60)=カナダ在住=が7月、日本と世界各国の友好親善に尽力した人に贈られる外務大臣表彰を受けた。

 1971年にカナダに移住し、空手師範として現地に空手道場を開設した。開設40年を迎えることし、500人の門下生が学んでいる。空手の普及とともに力を入れたのが、ぜんそくや筋無力症、うつ病などで苦しむ人々への空手指導だ。全身の筋肉を使う空手の動作や精神面の鍛錬を生かし、患者の健康増進に取り組んだ。
 金城さんは「事故の後遺症で体が動かなくなった人は呼吸の訓練から始めた。日常の動作ができるまでに回復した様子を見た時、指導をしてきてよかったと心から感じた」と振り返る。
 ほかにも空手演武を通して募金活動を行い、治りにくい病気への治療基金として活用するなど、精力的に活動した。「今後も精進を続け、カナダにとどまらず、世界中の人々に空手の心と技を伝えたい」と決意に満ちた表情で語った。