ムスリム、どうおもてなし 戒律に沿う調理開発急務


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イスラム教徒の受け入れ対策について説明を聞く企業や行政の関係者ら=9日、那覇市の沖縄産業支援センター

 県産業振興公社は9日、イスラム・ハラールセミナーを那覇市の沖縄産業支援センターで開き、物産販売や観光関連、行政関係者ら約85人が参加した。

イスラムの戒律に従って調理・加工された「ハラール」食品やイスラム教徒(ムスリム)に優しい日本を目指すための必要な対策などを学んだ。
 NPO法人・日本アジアハラール協会のサイード・アクター理事がハラールの基礎知識を説明し、沖縄ツーリストのデニス・トルトーナ氏が県内のムスリム団体客の受け入れ態勢などを紹介した。
 世界のイスラム教徒は約16億5千万人とされ、うち日本には約10万人がいる。アクター氏は「2020年に東京で開催されるオリンピックは誘客の大きなチャンスだ。日本はムスリムにとって観光または医療旅行のしやすい環境を整えるべきだ」と指摘した。また、「沖縄もムスリムを呼びたいのなら、彼らに対する理解が必要だ」と話した。
 一方、トルトーナ氏は、ムスリム団体客を受け入れるカフーリゾートフチャクコンド・ホテル(恩納村)が、ハラール専用食器などを利用する取り組みなどを紹介した。受け入れ拡大に向け「観光施設などが食品に英語表記をつけるほか、レストランでは豚とアルコールを使用しないハラール肉を使ったメニューの開発も重要だ」と指摘した。