思い出の海 きれいに 嘉手納、地元若者ら自主清掃


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15年以上前と推定されるデザインの缶を発見し驚く参加者ら=嘉手納町水釜の通称「護岸」

 【嘉手納】子どものころからの思い出が詰まった海をきれいにしようと、毎月第4日曜日に、嘉手納町水釜の護岸で10人以上の地元の若者が自主的に清掃活動をしている。4月に6人で始まったが、回を追うごとに参加者は増えている。

 発起人の照屋功司さん(29)=嘉手納町=は「嘉手納周辺の人なら、この護岸での思い出が何かしら必ずある。見える範囲はきれいだが、消波ブロックの下はごみだらけ。汚れた所ではなく、きれいな所で今の若い子にも思い出をつくってほしい」と動機を語る。
 8月は約1キロの護岸のうち、約100メートルを掃除した。音楽をかけ、談笑しながら作業を進める。
 行政からは物資供給、勤務先からは車両貸し出しの協力がある。「地域からは『ありがとう』と言ってもらえるが、時には『なぜこんな無意味なことをする』と言う大人もいる。悪気なく汚す人はまだ多い」と照屋さんは指摘する。
 参加者は清掃する理由をそれぞれ話した。知念亮さん(27)=嘉手納町=は「ここでサーフィンをしていて、昔から世話になっている場所だから」。友人に誘われて初参加したマイケル・リーさん(42)=宜野湾市=は「沖縄に来た20年ほど前から海ばかり見てた。沖縄の海も人も大好きだ」。知花直途(なおと)さん(31)=嘉手納町=は一呼吸置き「この護岸で妻と出会ったから。それだけです」と少し恥ずかしそうに明かした。
(長浜良起)