21世紀ビジョンにPDCA導入 県、改善継続を重視


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 県の振興計画「沖縄21世紀ビジョン基本計画」の策定後初めてとなる2012年度の事業実施報告がまとまった。事業評価よりも継続的な改善を重視した検証手法「PDCAサイクル」を全庁的に導入。県が初めて策定の主体となった新たな振興計画の進捗(しんちょく)状況を年度ごとに検証する環境を整えた形になる。

 「どこまで進んでいるのか、どこに欠点があるのか。県民に対してもわれわれ自身も当然チェックしないといけない」。10日に開かれた県の沖縄振興推進委員会で、仲井真弘多知事は計画の進捗を検証する必要にあらためて言及した。
 PDCA(計画→実施→検証→改善)は事業の継続的な改善を図る手法。その導入前は4段階で「妥当」や「全面見直し」などと評価していたが、事業を改善する視点が弱かった。
 今回は12年度事業1591件を「順調」「やや遅れ」「大幅遅れ」「未着手」に分類。全体の84・3%となる1342件が「順調」だったが、県民の関心が高いモノレール延長整備などは「大幅遅れ」となった。モノレール特許の取得に時間がかかり、用地の取得が遅れたためだ。
 実施計画で設定した成果指標の達成状況を数値で表す「改善幅」も示した。情報通信関連産業の立地促進では、企業進出数が11年度の237社から12年度は263社と26社増加した。
 一方、達成状況が数値化しにくい事業では客観的な判断が課題だ。県は県民意識調査の結果を参考に、判断材料を増やす。
 今回の実施報告は近く、ホームページで公表する。謝花喜一郎企画部長は「結果にとらわれず、前向きに進める。多くの人の目に触れることで、取り組みを改善していきたい」と話す。
 県が自ら課した成果指標に対する達成度や内外要因を盛り込んだ点で、報告は一定の透明性確保につながるが、分析を踏まえた改善を基に事業をその後どう展開するのか。多くの県民の関心を喚起するための公表の在り方も問われる。
(慶田城七瀬)