憩いの場、居酒屋「酒門」閉店惜しむ 久茂地


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「酒門」の高里ひとみさん(中央)を囲み閉店を惜しむ客たち=那覇市久茂地

 那覇市松山、久茂地で32年にわたって営業を続けてきた居酒屋「酒門」が26日に閉店する。家族経営のアットホームな雰囲気や、県内で先駆けとなった「炉端」「朝までオープン」が人気を呼び、会社帰りのビジネスマンや友人グループらの憩いの場として愛されてきた同店。

店を切り盛りしてきた高里ひとみさん(58)は「この店で思い出をつくっていただけたのなら、こんなにうれしいことはない」と全ての客に感謝している。
 ひとみさんの父で3年前に他界した高里盛喜さんが松山の国道58号沿いに店を構えたのが1981年。店名には「門をくぐれば楽しく酒が飲める」との思いが込められている。
 後に久茂地に移転したが、これまで長女のひとみさんと兄弟が二人三脚で営業を続けてきた。しかし弟の病気などもあり、やむなく閉店を決めた。
 30年前からの常連という会社員の仲地吾(とどむ)さん(50)は「職場の先輩たちと何度もここで飲んだことが忘れらない。なくなってしまうと寂しくなる」と話す。ひとみさんと同じ神原中の出身で、同期会の幹事会を毎回開いているという仲村渠学さん(同)は「BGМも昭和の曲が流れていて落ち着く。ここで仲間と会えば青春がよみがえる」と閉店を惜しんだ。