陸海空3自衛隊、沖大東島で離島奪還訓練へ


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自衛隊が離島奪還訓練をする沖大東島射爆場

 【東京】防衛省統合幕僚監部は23日、陸海空3自衛隊の隊員約3万4千人が参加する実動演習を11月1~18日の日程で、沖縄や九州を中心に実施すると発表した。上陸作戦や輸送の訓練を実施するとしており、事実上の離島奪還訓練となる。

主な訓練場には那覇の南東約408キロの太平洋上にある無人島で、米海軍の射爆撃場となっている沖大東島(北大東村)を使用。自衛隊による同射爆場の共同使用は初めてとみられる。日米両政府は自衛隊の米軍基地利用を進めることで合意しており、県内米軍基地を使用した訓練が今後加速化しそうだ。
 防衛省は沖大東島射爆撃場の自衛隊使用について日米地位協定2条4項aに基づく共同使用としている。
 自衛隊が米軍基地を使う「共同使用」は在日米軍再編に関する2006年の最終報告で方向性が示されており、陸上自衛隊が米軍キャンプ・ハンセンなどを使用している。
 両政府は今月3日に開いた外交・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書にも、南西諸島における自衛隊の態勢強化のため米軍基地の共同使用を進めることを盛り込んでいた。
 沖大東島射爆撃場では、離島防衛を主な任務にする陸自西部方面普通科連隊が上陸作戦を模して、海上自衛隊輸送艦に乗り込み、さらに水陸両用のホバークラフト型揚陸艇「LCAC」(エルキャック)で島に近づき、空自戦闘機が実弾射撃したりする予定。
 ただ島の周辺にはサンゴ礁があるため、実際の上陸はしないとしている。
 演習では陸自の地対艦ミサイルを陸自那覇駐屯地や空自宮古島分屯基地に配置する。
 3自衛隊統合の実動演習は、ほぼ2年に1度の頻度で実施されている。

<用語>沖大東島射爆撃場
 米軍が実弾演習の射爆撃場と指定する日本国内5カ所の爆撃場の一つ。1958年から海軍が射爆撃場として使用している。島の面積は約1・15平方キロで、周囲をサンゴ礁が囲む無人島。島全体が米軍の演習場で、米海軍の艦艇による艦対地射撃場、海軍機による空対地射爆撃場として使用されている。使用制限は年間180日以内。