グッジョブセンター半年 周知、連携が課題


社会
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 県が沖縄労働局や労使団体と協力して4月に設置した総合就業支援拠点「グッジョブセンターおきなわ」(那覇市泉崎)が開所から半年を迎えた。相談数は増加傾向にあるが、再来訪者が多く、新規相談者の開拓に向けた周知が課題だ。事情が異なる相談者の多様なニーズに応じるため、センター内外の連携強化も求められている。

 さまざまな相談窓口が入居する同センターの就職支援の柱は、幅広い相談に応じるハローワーク、就職と生活の両面で自立支援に取り組むパーソナル・サポート・センター、若者を対象にした県キャリアセンターだ。従来は個別に相談を受け付けていた3機関が、現在は1カ所で連携する。
 窓口相談員の宮国真寿美さん(産業カウンセラー)は「利用者1人に複数の機関が支援を考えている」と効果に手応えを感じつつ、さらに連携を深める必要性も指摘する。
 ホームレスら住所不定の人の相談も多く、半年で437人に上る。刑余者、年金だけでは生活費が不足する高齢者ら多様な事情を抱える相談者が訪れる。
 60歳以上が対象の県高齢者無料職業紹介所や、生活福祉資金の貸し付け相談をする県社会福祉協議会などがセンターに出向く出張相談も行う。「女性・子育て就労支援コーナー」も好評だ。利用者は「1カ所で相談できるので助かる」と歓迎するが、妊婦や乳幼児を抱える女性からは「駐車場が遠い」との声も上がる。
 神里直樹事務局長は「那覇以外の利用者が課題」と語り、各地への「出張」事業も検討したいと話す。半年の実績を踏まえつつ、認知度向上や多様な相談に応じるためのさらなる工夫が求められている。
(古堅一樹)