【アメリカ】南加県人会協議会 当銘貞夫新会長インタビュー


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南加県人会協議会の会長に選出された当銘貞夫さん

 全国47都道府県のうち40県人会が加盟する南加(南カリフォルニア)県人会協議会の第50代会長に、沖縄出身の当銘貞夫さん(72)が選出され、来年2月に正式に就任する。

米国カリフォルニア州日系人NPO(非営利団体)組織としては最大。その組織運営の現状や課題、抱負などについてインターネットのメールを使って当銘さんに聞いた。
 ―南加県人会協議会が発足した経緯は。
 「米カリフォルニア州のロサンゼルス地域には日系人が多く住んでおり、県人会発祥の地(メッカ)として知られている。祖国を離れ、異国に移住した人々は生まれ故郷に思いをはせたのであろう。こぞって県人会組織を誕生させた」
 「現在40県の県人会があり、そのほとんどが創立100周年を迎えた。今から49年前に、これらの県人会の連合会を設立、日系人社会に貢献していこうではないかと立ち上がった。やがて南加県人会協議会として発足、多くの県人会が加入するようになった」
 ―組織の現状と課題は。
 「最大のイベントは毎年10月に行われる育英奨学資金募集・親睦演芸会だ。ことしは34回目を迎え、10月6日に17県が出し物を披露、日本からプロの歌手を招待し、その収益金を、大学で勉強しながら日本文化に携わっている8人の若者に奨学金として授与した。そんな中で、課題の一つは多くの県人会が直面している会員縮小化の傾向と、会の存在さえ危ぶまれる現状にどう対処していくかだ」
 ―沖縄県系人の存在感が大きくなっていると聞くが、どう変わってきたか。
 「確かに北米沖縄県人会は模範的存在となっている。40県人会の中で独自の県人会館を所有しているのは広島と沖縄だけだ。沖縄の場合、四つのビルがあり、活動に応じて使用されている。県人会の会員は小さくて20人、多くて300人だが、沖縄県人会は2500人おり、飛び抜けて多い。もう一つの特徴として、若い3、4世の会員の目覚ましい活動も挙げられる」
 ―会長として具体的にどんなことに取り組むか。
 「古き良き先人の優れた開拓精神を生かし、若い世代とも協調心を培って新しい南加県人会協議会づくりに取り組んでいきたい。小さな県人会がどのようにしたらもっと大きな組織に発展できるか、沖縄県人会をモデルケースとして推進できればと願う」(聞き手 新垣毅)