普天間移設で自民5氏、辺野古容認 県連も転換へ


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「辺野古移設が普天間の危険性除去に一番早い」と話す自民党の石破茂幹事長(左端)と、辺野古移設容認に転じた沖縄の自民国会議員5氏=25日午前、東京都内の自民党本部

 【東京】米軍普天間飛行場の移設問題をめぐり県選出・出身の自民党国会議員5人が25日、党本部で石破茂幹事長と会談し、名護市辺野古移設を容認する方針で一致した。県民の反対が根強い辺野古移設の容認を迫る党本部の圧力を受け、選挙時の県外移設公約の見直しに慎重な姿勢を示していた国場幸之助(沖縄1区)、比嘉奈津美(同3区)の両衆院議員も容認に転じた。

同じく県外移設を主張している党県連も公約見直しについて近く判断する見通し。政府・自民党は辺野古埋め立て申請で年内の仲井真弘多知事による承認を目指しており、圧力を強めそうだ。
 石破氏は記者会見で「普天間の危険性を除去するために辺野古移設を含むあらゆる可能性を排除しないということで一致した。日米合意の着実な実施のため県知事の承認を求める」と述べた。
 石破氏は19日に県外移設を求めてきた国場、比嘉、宮崎政久(比例九州)の3衆院議員らと会い、25日までの辺野古容認を求めていた。3氏は週末に地元関係者と調整し、宮崎氏は24日に普天間の固定化回避などを理由に容認を表明。国場、比嘉両氏もこの日の会談で政府・与党の方針を受け入れた。
 国場氏は単独で会見し「県外移設公約は堅持する。変えれば有権者に対する裏切りだ」と述べ、今後も県外移設を求めると説明したが、辺野古移設に関して「普天間の固定化は許されない。あらゆる可能性を排除しないというのは選挙時から訴えてきた」と容認の姿勢を示した。比嘉氏は「(普天間の)固定化の可能性が非常に高いということだった。県民の命の方が大事だと思い決断した」と語った。
 一方、菅義偉官房長官は会見で「地元出身の国会議員が軌を一つにした。歓迎したい」と述べ、加藤勝信官房副長官も会見で「一歩前進だ」と歓迎した。