屋良の庶民史 完成 写真集、今昔映す数百点


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写真集を手にする編集者の伊波勝雄さん(左から2人目)と字屋良共栄会役員=嘉手納町屋良

 【嘉手納】嘉手納町の字屋良共栄会(池原勲会長)はこのほど、会員世帯などから収集した写真で構成する写真集「写真に見る屋良村の昔と今~ヤランチュの戦前・戦中・戦後を生きた証」を発刊した。

30日に出版祝賀会を開き、会員ら関係者に配布する。
 共栄会はこれまで、米軍基地に接収される前の字屋良地域の地図を復刻したほか、拝所や伝統芸能を紹介した民俗誌を作った。
 写真集はハードカバーで250ページ。戦前・戦中・戦後の3章に分け、ハワイ移民や軍作業の様子、拝所、共栄会が行う祭司行事など数百点の写真を収めた。
 制作へ向け昨年12月に会員約330世帯に写真提供を呼び掛け、6人の編集委員がまとめて解説を付けた。
 編集者の伊波勝雄さん(74)は「土地を接収された苦しい中でも屋良の人たちはたくましく生き抜いてきた。この本は屋良の庶民史でもある」と完成を喜んだ。
 池原会長は「先人たちの努力を後世に残すことができる」と喜んだ。